『葉桜の季節に君を想うということ』を読む。

映像(映画)化出来なそうな作品。笑

いわゆるジャケ買いが好きな自分。当然、アーティストも曲の内容も知らずに買うことも多く、当たり外れも多いけれど、先入観無しで楽しめるというスリルと驚きがあります。

同様に、小説なども作家も前評判も分からず、装丁のデザインだけに惹かれて買うこともよくあるんだけど、この作品も同様に装丁カバーのシンプルなデザインと、純和風なタイトルに惹かれて買った作品。いやぁ、しかし、色々な意味で凄い作品でした。笑(後から気がついたんだけど、帯を見たらミステリー大賞受賞作品だとか。)

細かいストーリーやネタバレになるようなことは書けないけれど、読み終わって最初に思ったのは「こりゃ、映像化するのは難しい作品だなぁ。」ってこと。笑 映像にすることが出来ないくらいグロテスクだとか、複雑だとか、そういうことではなく、「映像にすることが難しい構成」になっているというのが、この作品の大きな特徴だと思います。

普通の長編ミステリー。。。ん?

作品そのものは普通のミステリーで、主人公の周りで起きた殺人事件(といくつかの出来事)を、複数のチャプターに分けて同時に進行させていくというもの。事件に関係のあるものと、無関係そうなものとの、お互いのつながりが全く見えないまま進行していき、後半に入ってもそれぞれの繋がりが見えてこないまま、終盤にいきなりのクライマックスが来るというパターン。

そこまでは普通なんですが、クライマックスは衝撃の展開、というか今までに見たことのない展開が待ち受けています。まぁ、それが本作の最大の魅力であると思うのですが、巷では賛否両論あるようオチのようです。笑

小説という表現手段だからこそ可能なラスト。

個人的には、なるほど、小説だからこそ可能なラストの持っていきかただな、と思いました。先に述べたように「映像化が難しい展開」という理由もそこに隠れているので、変わったミステリーが読んでみたい人には面白い内容だと思います。

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