『Little People in the City』を読む。

アリの大きさになって見た日常世界。

少し前に見かけてハマってしまった写真集『Little People in the City: The Street Art of Slinkachu』。サイズは文庫本を少し大きくした程度のコンパクトな作品です。最近は実物の風景をミニチュアっぽく撮影した写真(本城直季さんのような作品)が流行っていたけれど、こちらの写真はちょっと違う。ミニチュアっぽく撮った写真ではなく、登場する被写体がミニチュア、それ以外は現実世界という構図の奇妙な写真。笑

ミニチュアの人間(人形)たちがいる世界が、現実世界のスケールの中にいる設定で撮られているので、彼らと、彼らの生活道具以外に存在するものと、それ以外の現実世界の大きな物体とのの対比がなんとも面白いですね。まるでアリンコになった気分で作品を楽しめます。

ミニチュアがミニチュアっぽいところがミソ。笑

ページ構成も面白く、現実世界からのスケールで見た彼らの構図(俯瞰)、彼らの視点から見た現実世界の構図(主観)の2種類が見開きで出ているのが、この作品の一番のポイントかなぁ。どちらかだけではきっと面白くなかったと思います。あと、ミニチュアがリアル過ぎないのもグッド。ミニチュアらしいぎこちなさが残っているのが、ユーモアに溢れていて素敵です。

なんとなくアイデア勝ちな写真集のようにも思えますが、構成、ストーリーなども練られていて中身のある作品になっていて良かったです。自分でも似たような写真を撮って楽しんでみたくなる、そんな作品ですね。サイズも値段もお手頃なのでプレゼントにもオススメ!

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