『霧のむこうのふしぎな町』。

霧のむこうのふしぎな町

子供の頃は毎日が冒険だった。

最近、大人になってから色々な意味で冒険していないことに気づく(気づくのが遅いのがなんとも致命的ですが。笑)。何か新しいことにチャレンジしたりしているように見えて、実は、昔やったことの繰り返しだったりします。デザインワークでもそう。自分の昔のポートフォリオとかを見ると、今の自分のデザインがあまりにも進化していないことに愕然とします。

とある本に書いてありましたが、「大人」という生き物は、自分の経験してきたことの積み重ねの中から、自分で出来うる可能なことを無意識のうちに選択して人生を送っているそうです。子供の頃は「経験」が無かった故に、何もかも新しいことばかり。毎日がチャレンジ、そして冒険の連続であり、その積み重ねがその人の糧となっていくんだな、ということを最近しみじみと感じます。

想像力を取り戻そう。

冒険やチャレンジに必要なもの。それは「想像力」であり、どこまで「自分の可能性を夢見る」ことが出来るのか?やっぱりそれが大事なんだと思います。そういうわけでドキドキ、ワクワクしたあの頃の気持ち、「豊かな想像力」を少しでも取り戻す為に「 霧のむこうのふしぎな町」を久々に読んでみることにしました。著者である柏葉幸子さんは大好きな作家の一人で小学生の頃から彼女の作品はたくさん読んできたけれど、個人的にはやっぱり初めて彼女の世界に触れたこの「 霧のむこうのふしぎな町」が一番好きかな。宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」にも通ずるストーリーと、子供目線ならではの不安と好奇心が入り混じった丁寧な情景描写が素敵です。思わず自分がその世界に入り込んでしまったかのような不思議な力がある作品ですね。

想像することをしなくなってしまったあなたにオススメの一冊。

大人になった今だからこそ、この本のように「ドキドキワクワクしながら想像することの楽しさ」を教えてくれる機会ってとても貴重な気がします。子供向けの本だけど、子供には想像力も勇気もある。臆病になってしまった大人にこそぴったりの一冊ですね。千尋のように勇気を持って、ワクワクしながら、「想像力」を磨いて楽しんでください。

2 Comments

uwo /2007年6月 4日 19:54返信

「霧のむこうのふしぎな町」
私も幼きころよく読みました。

今は手元にないけれど、たしかたくあんをパンにはさんで食べる人が登場していたような。妙なシーンが印象にあるのですが、
--どんな味がするんだろう?
--パンが黄色くなって、そこだけ味が和風か?
--大人になったらやってみよう。
などなど思っていましたね~。

いやはや、名作です。これは。

はじめまして&おじゃましました。ふかぶか。

Riko2007年6月 6日 00:15返信

>uwoさん


コメント有り難うございます。そして、ようこそリコログへ。笑


さすが、詳しく憶えていますね〜。あの想像したく無いけれど、でも気になっちゃうシーンが多いのもこの作者の魅力の一つだと思います。僕もある意味、その不思議な奇妙な感覚が気になって読み続けた一人です。


名作は大人になっても色あせず。いつまでも手元に置いておきたい一冊です。

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