チャールトン・ヘストンと猿の惑星。

チャールトン・ヘストンを偲んで。

名優、チャールトン・ヘストンが逝去した(享年84歳)との報道が流れてちょっとショックだった。彼の出演する作品の多くはハリウッド映画黄金期を支えたものばかりで、主演をつとめた「ベン・ハー」や「十戒」はもう何度見たか分からないくらいたくさん見た思い出がある。とにかく体が大きく(190センチは軽く超えていると思う。)存在感があるので、どんな役でも映えるし、ちょっとクセのある顔といい、観る人の記憶に残りやすい俳優だったように思います。

そんな彼の作品群の中でも特に思い出に残っていたのが、猿の惑星続・猿の惑星の2作品。確か、初めて見たのが中学生のころだったように思うけれど、猿の特殊メイクといい、ストーリーといい、とにかく全てが新鮮で衝撃を受けたんだよね。

猿の惑星から学ぶこと、いっぱい。

猿の惑星シリーズ(個人的には1と2まで。)が、映像的に素晴らしいのはもちろんなんだけど、やっぱり一番の魅力はその内容。立場が入れ替わった「猿」と「人間」のやりとりを通じて、映画の世界からいつの間にか観客側の現実社会の中に潜む人間の愚かさを客観的に見せられている自分に気がつくところがやっぱりこの映画の最大の魅力であり、そしてメッセージですよね。

チャールトン・ヘストン演じるテイラーも最初は距離感を持って達観しているかのような余裕があるのですが、気がつくと、自分もその社会の中に巻き込まれて、我を見失いそうになってくる姿を巧妙に演じていて、その光景を観ているだけでも、やっぱり映画ではなく、自分たちの今いるこの社会で周りが見えなくなっている自分を観ているような錯覚を覚えてしまう。う〜む、深い映画です。

価値観、宗教観のぶつかり合い。

2作目になると、いよいよ宗教的な側面と、猿と人間、そして新たな登場人物のそれぞれの価値観のぶつかり合いの末に一つのエンディングが待っていますが、なかなかに深いエンディングだったりします。良い意味でちょっと哲学的で考えさせられる作品ですね〜。世界が混乱しつつある今こそ観る価値のある作品のように思います。ちなみに、作品は1作目と2作目を合わせて完結しますので、機会があったら是非続けてみることをオススメ!

コメントする