『アンドロメダ...』を観る。

「盛り上げない演出」が
じわりと恐怖を伝播させる
素晴らしいSFサスペンス。

久々に大好きなSF映画が観ました。ちょっと古い作品ですが、サウンド・オブ・ミュージックでもお馴染みの名匠ロバート・ワイズ監督のアンドロメダ...(アンドロメダ病原体)。宇宙からの落下物に付着した謎の感染病の原因を突き止めようとする研究者の奮闘ぶりを描いた内容で、派手な演出効果を一切使わないことで、逆に緊迫した空気を上手く表現した隠れたSFサスペンスの名作。

SF映画というと、スターウォーズなどをはじめとする広大な宇宙を舞台にした作品を連想することが多いけれど、この作品の舞台は地球上、しかも、とある村と施設というかなり狭い世界の中でほぼ完結してしまうシンプルな設定。それだけにより身近に感じることの出来るSF作品になっています。

また、SF作品で多用しがちな特撮効果や音響効果を意図的に極力抑えた「静かな」演出と、ヒッチコック作品などで見られる特殊なカメラワークによる表現効果とのコントラストが秀逸で、そのおかげでドキュメンタリーを見ているかのようなリアリティ溢れる緊迫感を感じることが出来るのも、この作品の素晴らしいところですね。

有機的でシンプルな美術デザインも必見!

余談ですが、作中に登場する研究施設とその中にある研究用機器などのデザインも一見の価値アリ。今作よりも数年前に公開されている「2001年宇宙の旅」の異常とも言える完成度の高い美術の数々(笑)には、さすがにかなわないけれど、それでも、当時人気だったミニマムでシンプル、有機的なデザインが施された施設や器具などを見るだけでも楽しい作品です。

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