『Empyrean Isles』を聴く。
一人、旅の途中で聴きたい一枚。
このアルバム「エンピリアン・アイルズ 」に出会ったのは高校一年の頃。当時はジャズなんて全く知らなかったけれど、それでもこのアルバムには自由奔放でメロディアスなソロがいっぱい詰まっていて、すごく感動したことを思い出す。ハービー・ハンコックのピアノだけでなく、フレディー・ハバードの存在感あるコルネット(トランペットに似た管楽器)ソロがとても美しいワンホーン構成。とにかく、美しい旋律に溢れていて、場末(おっと、失礼!笑)のバーで流れていそうな、大人の匂いのする最高にかっこいいジャズだと当時は憧れていたのを思い出す。(大人への憧れですな。笑)
「エンピリアン・アイルズ 」には、かの有名な「Cantaloupe Island」も収められているけれど、おそらくこのアルバムの中では一番平凡かも。笑 それくらい他のナンバーがもの凄い輝きを放っている。特に「Oliloqui Valley」が最高。ロン・カーター奏でるベースのイントロに始まり、何かを予感させるハバードのメロディライン。そして、ドラムのトニー・ウィリアムスが控えめにブラシでリズムを刻む中で、ハンコックのピアノが一音、一音、粒のように溢れ出す美しいソロの始まり方がとても素敵。特に後半のハバードのコルネットソロの盛り上がり方にゾクゾクさせられちゃいます。そして、ロン・カーターの渋いベースソロ。渋い!渋すぎだよ!笑
もちろんその他にも、アップテンポでスリルのある「One Finger Snap」、ぐねぐねと旋律がめまぐるしく変わって行く様が面白い「Egg」など、う〜むと唸らせられる曲ばかり。どれも、個性ありすぎな強力なメロディです。
ま、ちょっと興奮してしまいましたが、ワンホーン(フロントが一人)構成なので、うるさすぎず、かといって退屈させない個々の至高のソロが美しい、ずばり「カッコイイ」ジャズアルバム。独りの時間を楽しむ時には欠かせない一枚。旅のお供にどうぞ。笑
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