『Baduizm』を聴く。

エリカ・バドゥのデビューアルバム。

真夜中のデザインワークに欠かせない音楽ですが、iPodやiTunesで聴くという便利なスタイルが自分に定着してからは、もっぱら昔の曲ばかり聴いている。音楽に限った話じゃないけれど、若い時に聴いた曲ほど頭の中に鮮明に残っているのは、良い意味で経験が浅くて、音色や詩が新鮮に聴こえたからなのだろう。『Baduizm』もそんな記憶に深く残っているアルバムの中の一枚。

全編を通じてスローな曲だけで構成されていて、BPMもほとんど変わらない。でも、ジャズの要素を色濃く含んだベースラインと必要最小限のシンプルなリズム、そしてエリカ・バドゥの低く、聞き疲れのしない柔らかい歌声のバランスが絶妙で、ぐいぐいと彼女の世界に引き込まれる。特に彼女の声色や歌い方は、大好きなあのビリー・ホリデイを思わせる雰囲気を持っていて素晴らしいです。

ジャズ好きな自分にはオープニングの「Rimshot」から既にやられっぱなしなんだけど、「Apple Tree」、「Certainly」や「4 Leaf Clover」あたりが曲の雰囲気、そして歌詞共に一番印象に残っているかなぁ。ちなみに、後半に出てくる「Drama」はジャズベースの大御所、ロン・カーターがベースラインを弾いています。彼女の歌声はもちろん、ロン・カーターの絶妙な「間」も楽しめます。う〜ん、クール!

心に深く響くJazzyなR&B。

エリカ・バドゥの作品は全部持っているけれど、一番はやっぱりこのデビューアルバムかな。元気な時に聴くよりは、ひとりでリラックスしたい時に聴く癒し系なので、夜寝る前に聴くにはもってこいの一枚。心の中にすぅ〜っと染み込んできますよ。保証します。笑

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