『My Funny Valentine』を聴く。

楽器という枠を超えて歌いだす
マイルスの音色が切なく美しい名盤。

以前寒い冬の季節に聴きたいジャズ。でマイルス・デイヴィスの名盤『Someday My Prince Will Come(いつか王子様が)』を紹介したことがあったけれど、あちらはミュートサウンドのマイルスを楽しむのには素晴らしい作品。で、こちらのアルバム『My Funny Valentine』はストレートサウンドのマイルスを楽しむにはもってこいの作品ですね。特に、バラッドナンバーで人気のある「My Funny Valentine」と「Stella By Starlight」と「I Thought About You」が絶品。

まぁ、詩的な表現能力に長ける能力を持っているマイルスだけに、その切なく美しいソロは誰もが惹き付けられる魅力を持っていると思うんだけど、バラッドのようにスローなナンバーになると、その魅力はさらに増しますね〜。そして、メロディセンスだけでなく、楽器という枠を超えてまるで歌っているかのような彼の独特な音色、サウンドもとても繊細で美しいです。

パーソネルも豪華で、しかもライブ盤。

ちなみにそんな彼の最高の演奏を支えているバンドメンバーもトニー・ウィリアムス(Ds)、ロン・カーター(b)、ハービー・ハンコック(p)、ジョージ・コールマン(Ts)と豪華(その当時はまだまだ成長途中だとは言われてますけどね。とんでもない。。。笑)。そして、これがライブ録音というのも見逃せないですね〜。やっぱり演奏への熱の入り方が違います。

そんなこんなで、このアルバムを聴き始めてもう10数年。全く飽きが来ない作品です。大人なジャズ、しかも、切ないほどに美しいソロを聴きたい人は是非!ちなみに、名バラッド「I thought about you」は上述の両方のアルバムに収録されていて、Someday My Prince Will Come(いつか王子様が)でミュートサウンドバージョン、My Funny Valentineではストレートサウンドバージョンが楽しめちゃいます。どちらも素晴らしい名演です。

コメントする