千代紙と伝統デザイン。
懐かしい宝物に学ぶ伝統美。
先週末、久々に自分の部屋の大掃除をした。久々ということもあって今までの掃除で手をつけていなかった押し入れの中の掃除をしていたんだけど、その押し入れから懐かしいものが出て来た。それは、まだ自分が幼稚園に通っていたか、小学生の頃だと思うんだけど、祖母からもらった小さな千代紙がぎっしりと詰まった折り紙ボックスだった。
折り紙といえば、その頃自分が使っていたのは無地で15センチ四方くらいの文房具屋さんで売っているオーソドックスなものだったので、その和紙で出来た5センチ四方の小さな折り紙を初めて見た時、小さいながら凄く感動したのを憶えている。
結局、小さいながらもとても綺麗なものだとういう感覚があったのだろう。その小さな千代紙を折ることがとてももったいなくて、2〜3枚使用したくらいであとは机の中にでも保存していたのだと思う。今、こうして改めて見てみても、色の退色はほとんどしておらず、それぞれの千代紙の伝統的な模様も綺麗に残っていてとても状態が良い。ほとんど昔見た時と変わらない色を保っているのは、和紙が永くいつまでも保存がきく優れた紙だからだと思う。
先日の、日本の言葉の美しさに惹かれたのもそうだが、最近、妙に日本の伝統的な美しさに惹かれる傾向がある。不変的だけれども、いつの時代にも悠久の美しさを感じさせる日本の伝統美・伝統文化は、最近のそれ(Webを始めとする世の中の全てのプロダクトがものすごい勢いで変わりゆく傾向)とは違って、デザインをする上で必要なものを教えてくれる気がする。手にした千代紙を眺めながら、ゼロ視点でもう一度日本のデザインの意味を考えてみたくなった。
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